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日本キャステム

タッチ式簡易コーラス練習マシンの製作

かれこれ7年も前の事になりますが、2011年にCQ出版社が主催する「RX62Nマイコン基板アプリケーション制作コンテスト」に入賞しました。

作品名は「簡易版ハーモニーディレクター」です。

 

その後、Interface2012年8月号に「タッチ式簡易コーラス練習マシンの製作」として掲載して頂きました。
こちらから1ページめがご覧になれます。

記事の一部をご紹介します。

ハーモニーディレクターは音楽の指導用楽器で、ヤマハのHD-200が知られています。コーラスや合奏における基準となる周波数(Hz)や調、リズムなどを実際に音で確認できるものです。今回は以下の(A)、(B)の機能を再現し、さらに独自に(C)の機能を追加することにしました。

(A) 十二平均律と純正律との切り替え
(B) 移調
(C) コード指定による和音出力

(A)の十二平均律は1オクターブを12等分した音律です。「どの音の間でも同じ音程なら同じ周波数比になる」、「調律し直すことなく自由に転調、移調ができる」という利点がありますが、周波数の比が単純な整数比である純正律と比較すると、和音を出したときに若干のうなりが発生します。例としてメジャー・コード(長三和音)の周波数比を表1に示します。十二平均律と純正律との切り替え機能でその違 いを表現できます。

(B)の移調は、移調楽器用の機能です。例えばトランペットの楽譜は“in Bb”で書かれていることがあります。この楽譜では、五線譜上では“ラ”で書かれていても実際の音は“ソ”となります。移調の機能で“Bb”を指定して画面上の鍵盤の“ラ”をタッチすると“ソ”の音が出力されます。

(C)のコード指定による和音出力機能では、和音を表現できます。楽譜中のC、Dm、E7、Fm7、Gsus4などのコードを見ただけでイメージすることは難しく、コードを知らないと鍵盤で弾くこともできません。最近の電子楽器には搭載されていることも多い機能で、ワンタッチで実際の音を表現できます。

「組込み用マイコンを使って何か作ってみよう」と思った時にこういうアイディアが出てくるのは、音楽好きな社員が多い我々らしいなと思います。