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ITU-T G.729 Annex A

CS-ACELP(Conjugate-Structure Algebraic CELP:共役構造代数CELP)と呼ばれます。G.729AnnexAはG.729の拡張版で,G.729と互換性を保ちながら演算量を半分程度に抑えたバージョンです。若干の品質劣化があるものの演算量が少ないため,より好まれて使用されています。

入出力

10msecのフレーム単位の処理になります。 デコーダにはフレーム・エラー情報を入力する事ができます。

音声データのフォーマット

  • 16ビット・リニアPCM,80サンプル/フレーム

符号データのフォーマット

  • 80ビット/フレーム

 

(図13)G.729 Annex Aの入出力

 

RTPプロトコル

ペイロード・タイプは「18」です。 RTPでは20msec以上のパケット送出間隔が推奨されていますので,2フレーム以上の符号データを1つのパケットにまとめます。 表6と図14に1フレーム分の符号データのフォーマットを示します。

(表6)G.729 Annex A 符号データのパラメータ

パラメータ 内容
L0 Switched MA predictor of LSP quantizer
L1 First stage vector of quantizer
L2  Second stage lower vector of LSP quantizer
L3 Second stage higher vector of LSP quantizer
P1 Pitch delay first subframe
P0 Parity bit for pitch delay
C1  Fixed codebook first subframe
S1 Signs of fixed-codebook pulses 1st subframe
GA1 Gain codebook (stage 1) 1st subframe
GB1 Gain codebook (stage 2) 1st subframe
P2 Pitch delay second subframe
C2 Fixed codebook 2nd subframe
S2 Signs of fixed-codebook pulses 2nd subframe
GA2 Gain codebook (stage 1) 2nd subframe
GB2 Gain codebook (stage 2) 2nd subframe

 (図14)G.729 Annex A 符号データ
(クリックすると大きい画像を開きます。)

入手方法

ITU-T よりCソースコードが入手できます。

G.729の拡張機能

表7のようにG.729にはAnnexが多数あります。 少々複雑に見えますが,基本的な拡張は次の3つのみで,後はこれらの組み合わせになっています。

  • AnnexB:VAD/DTX/CNG
  • AnnexD:6.4kbit/s
  • AnnexE:11.8kbit/s

(表7)G.729拡張機能

ビットレート(kbit/s) 演算精度 特徴
G.729 8 固定小数点
G.729 AnnexA 8 固定小数点 低演算量
G.729 AnnexB 8 (DTX) 固定小数点 VAD/DTX/CNG
G.729 AnnexC 8 浮動小数点 G.729,G.729 AnnexAの
浮動小数点演算
G.729 AnnexC+ 6.4/8/11.8 (DTX) 浮動小数点 G.729 AnnexIの
浮動小数点演算
G.729 AnnexD 6.4 固定小数点 低ビットレート
G.729 AnnexE 11.8 固定小数点 高品質
G.729 AnnexF 6.4/8 (DTX) 固定小数点 デュアル・レート,
VAD/DTX/CNG
G.729 AnnexG 8/11.8 (DTX) 固定小数点 デュアル・レート,
VAD/DTX/CNG
G.729 AnnexH 6.4/8/11.8 固定小数点 マルチ・レート
G.729 AnnexI 6.4/8/11.8 固定小数点 マルチ・レート,
VAD/DTX/CNG

Annex C+,F,G,H,Iは単に複数のビットレートが使用出来るというだけではなく, 通信中にいつでも(フレーム単位で)ビットレートを切り換える事ができます。 したがってネットワークのトラフィックに合わせた動的なビットレート制御が可能になります。

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